先住猫と新入り猫~猫の対面を成功させるための5つのステップ~獣医師が解説

先住猫と新入り猫

新入り猫を迎えるときは十分な準備が必要です。先住猫のことを優先しながら、決して焦らず根気よく見守ることが大切です。猫の対面を成功させるために、以下の5つのステップを参考にしてみてください。

前もって準備すること

まずは、新入り猫用の部屋(無理な場合はケージ)を用意し、フードボール・水入れ・トイレ・ベッド・爪とぎ・段ボールなども新しくそろえておきます。できる場合は、前もって猫のにおい(フェロモン)の交換をするとよいでしょう。たとえば新入り猫のにおいの付いたタオルを先住猫、反対に先住猫のにおいの付いたタオルを新入り猫のもとへ。そうすることで対面する前にお互いのにおいを知り合うことができ、対面する際のストレスが和らげられます。新入り猫の健康診断も忘れずに。

新入り猫を迎える日

用意した部屋で新入り猫を迎えます。(住宅事情にもよりますが)この部屋は、先住猫の機嫌を損ねないように先住猫のお気に入りの部屋ではない方がよいです。新入り猫はキャリーケースから出て部屋の中を探索しはじめるでしょう。このステップでは新入り猫が新しい場所に慣れる時間を十分につくってあげることが大切です。この時間は猫の性格によって変わってきます。新入り猫が臆病で部屋の隅に隠れているような場合は、落ち着くまでその部屋で数日間過ごしてもらうとよいでしょう。もちろん遊んだり撫でてあげたりして飼い主とのふれ合いの時間も忘れずに。

2匹を完全に隔離

このステップでは、猫はお互いのにおいをドア越しに察知しても姿を見ることはできません。先住猫は新入り猫の気配を感じて、部屋のドアの外で警戒心を抱いたり好奇心いっぱいだったりで落ち着きがないかもしれません。お互いの猫の頬や体をタオルで軽くこすって交換して置いたり、ベッドを交換して置いたりすることでお互いのにおいを共有することができます。新入り猫が新しい部屋に慣れてきたら、他の部屋も探索できるようにお互いの部屋を交換する時間を設けてもよいでしょう。

猫隔離

仕切り越しに対面

先住猫も新入り猫も落ち着いてきたら、部屋のドアを開けて仕切り(網のドア、ベビーゲートなど)越しに毎日2~3回猫を対面させます。2匹の様子を見ながら、威嚇がないようなら次のステップへ、威嚇するようなら、仕切りごしに毎日フードやおやつを与える時間を設けます。猫が仕切り越しにリラックスできるようになったら次のステップへ。

先住猫も新入り猫も、これまで他の猫とグループで暮らしていたような社交的な猫ならこのスッテップは省いてもかまいません。(仕切りの例)

猫の対面猫対面

いよいよ直接対面

対面の時期は焦らずに猫のペースに合わせましょう。

対面時には必ず人が見守ります。猫それぞれに人がひとりずつ付ければ理想的です。それぞれがおやつをあげたり、おもちゃで遊んだりしてあげると相手の猫の存在=好ましいと関連づけることができるからです。他の猫に興味を示しながらも、距離が近づきすぎれば威嚇し合うこともあります。状況に応じて、もしどちらかの猫が威嚇してケンカに発展するような気配なら、その日の対面は打ち切って毎日対面時間を少しずつ延ばしていきます。

対面時に威嚇しなくなって2~3時間一緒に過ごせるようになったら、人がいる時間は一緒にします。2匹の距離は徐々に縮まり、数日から数週間でお互いの存在を認め合うようになるでしょう。飼い主はいつもの生活のリズムを変えることなく、先住猫が人間に甘える猫なら普段よりもっとかわいがってあげましょう。

まれに先住猫が自分のテリトリーを侵され新入り猫を激しく攻撃することがあります。こんな場合は、猫ばかりでなく人間もけがをしないようにすぐにタオルなどで猫をくるんで2匹を別の場所に隔離します。ひとつ前のステップにもどり、根気よく時間をかけて(仲良くならなくても)猫同士に共存してもらう努力をするか、新入り猫に別のスペースで生活してもらうか、あるいは新入り猫を諦めることも選択肢の一つとして考えなければなりません。

さいごに

猫同士の相性は予想がつきません。このようなステップを踏まずにいきなり猫を対面させてうまくいく場合もあります。また、2匹目の猫を迎え、3匹目、4匹目…と猫を迎えるごとにステップを省きたくなることもあるでしょう。しかし、猫はいちど他の猫に対して嫌な感情をいだくとそれを取りのぞくのは思いのほか困難です。新しい猫が急に現れたことで、これまでうまくいっていた猫同士の関係のバランスが見事に崩れることもあります。新入り猫を迎えるときは十分に時間をかけ、慎重に行いましょう。