水をあまり飲まない猫のために~循環式給水器の手作りアイデア

手作り給水器

猫は本来必要な水分の大半を獲物の体から摂取するので、水をガブガブ飲む習性はありません。しかし、水分が10%前後のドライフードを食べている飼い猫は、どうしても水分が不足しがちになります。あまり水を飲まない猫に水分をしっかりと摂ってもらうための方法と手作り循環式給水器の作り方をご紹介します。

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猫の水の好み

新鮮な水がおいてあるにもかかわらず、水道の蛇口から落ちる水、花瓶の水、人が飲むコップの水、風呂場にたまった水・・・などを好んで飲む猫がいます。猫は水を味わう感覚がたいへん優れているので、水の温度や味に敏感に反応します。水道水の塩素(カルキ)のにおいを嫌っている、水飲み器が汚れている、または洗剤のにおいが残っているなどの理由で水を飲まないこともあります。水の温度については、少し温めた水や湯冷ましした水を好む猫がいる一方で、夏場などは、氷を浮かべた水を好んで飲む猫もいます。

猫は少量の水を1日に何度も(10回前後)飲む習慣があります。ネズミを食べる猫なら、ネズミの体のおよそ70 –75 %が水分なので、あまり多くの水分を摂る必要はないかもしれません。同様に水分含有率(80%前後)の高いウエットフードを食べている猫も、フードから必要な水分を補給することができます。しかし、水分が10%前後のドライフードを食べている猫は、どうしても水分が不足しがちになります。

猫の水飲み行動~必要な水分摂取量は?~猫はどんな水が好きなの?

猫に水を飲んでもらうには

水をあまり飲まない場合の対策としては、水入れをフードボールから離れた場所や床ではなく少し高いところにいくつか(3つ以上)設置するとよいでしょう。猫は通りがかりに好きな場所を選んで水を飲むことが増えるようです。水入れにも好みがある猫が多いので陶器、ガラス、プラスチック、アルミなど何種類か用意しましょう。手間がかかりますが、猫は一匹一匹、水の嗜好性も異なるので、猫に選んでもらうのがいちばんです。

なお、水の動きをおもしろがって水道の蛇口から水を飲む猫もかなりいるようです。そんな流水好きな猫には、電源をいれると水が循環してチョロチョロと流れ続け、猫の好奇心をくすぐる循環式給水器を試してみると喜ぶかもしれません。

手作り循環式給水器

新鮮な水が飲めるように犬・猫用にさまざまな種類の循環式給水器が市販されています。ただ、購入した循環式給水器を「猫が使ってくれるかどうかわからない」「洗うのが面倒」という欠点もあります。猫が使ってくれなかったり、あるいは新鮮な水をあげるために購入した循環式給水器の手入れを怠って、そこが雑菌のすみかになってしまったりしては本末転倒です。そこで、試しに「自作」してみてはいかがでしょうか。手入れも楽でコストもあまりかからず、意外と簡単に作ることができます。

用意するもの

手作り給水器に必要なもの

  1. 小型水中ポンプ(水槽・水循環用)。1000円前後で購入。調整レバーで水量の増減ができるポンプだと便利です。
  2. 小型水中ポンプの吐き出し口に合う7cmほどの水槽ホース。購入は1m単位での購入になると思いますが、替えがあるので安心です。300円ほどで購入。
  3. 底に穴のあいた小さな素焼き鉢。高さ10cmほどで200円前後。
  4. 深さのある陶器のお皿やボール・土鍋など。家で使わなくなった食器で代用。
  5. アクアリウム用の飾り石。必ず必要ではありませんが、3の鉢を固定する役目と、見た目が落ち着き部屋のインテリアもになります。ただし、猫が誤飲しないように大きめの石にします(写真の100円玉は大きさの参考)。

*1の小型水中ポンプはさっと水で洗い、2.3.4.は食器洗い機に入れて洗うこともできます。

作り方

手作り給水器作り方

作り方は以下の通りです。

  1. 陶器のお皿の中央に、小型水中ポンプを設置します。
  2. 小型水中ポンプの吹き出し口に、予めカットした水槽ホースを取り付けます。
  3. 小型水中ポンプ上に素焼き鉢をかぶせ、そこの穴から水槽ホースの先端を出します。
  4. 素焼き鉢を囲むように飾り石を置きます。
  5. 飲み水を入れてポンプを作動させ、猫が水を飲みに来ればOKです!

市販の循環式給水器に比べて、安価である、洗うのが楽、電源を入れなくても普通の水のみとして利用できる…などが良い点だと思います。気軽に毎日水を替えられるので衛生的です。ただ、水が多少こぼれても大丈夫な場所に置く方がよいでしょう。