留守中のペットの預け先はペットシッターかペットホテルどっち~ドイツでは?

悲しむ犬

コロナ規制も緩和され、長期で旅行に出かけたいという方もいらっしゃるのでは?そんな時、ペットの預け先に頭を悩ます方も多いと思います。旅行だけではなく、飼い主の急な出張や入院など、どうしてもペットの世話を頼まなければならないこともあります。

長期で旅行に行くことも多いドイツ人ですが、ドイツの施設や体験談などもご紹介したいと思います。

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まず、どうする?

ペットの預け先は、愛犬・愛猫が日頃からなついている身内や友人に世話をお願いできればいうことはありません。短期なら日中来てお世話をしてもらってもよいですが、長期(1週間以上)なら、その人のお家で預かってもらうことができれば安心ですね。また、住まいの近くにお互いにペットの世話を任せられる「ペット友達」がいてお互いに世話ができるような関係であれば理想的です。しかし、様々な事情から他人(ペットシッターやペットホテル)に依頼しなければならないこともあるでしょう。

多くの飼い主は、インターネットでペットホテルやペットシッターを住んでいる地域で検索し、必要な情報を確認し、サービスの範囲や価格などを比較して決めることになります。ただ、大きな都市だと選択肢も多いですが、そうでなければ難しいこともあるでしょう。ご近所のペットを飼ってるお友達やかかりつけの獣医さんに尋ねてみるのも一案です。次にペットホテルとペットシッターを利用するメリットやデメリットについて考えてみましょう。

ペットホテル

遊ぶ犬

ペットホテルはペットを預けることができる宿泊施設で、動物病院やトリミングサロンが併設しているホテルなどもあります。他の犬と遊ぶことに慣れている犬なら、犬同士を遊ばせてくれる広いスペースを完備したホテルもあります。一番のメリットは人がそばにいる時間が比較的長い(とくに日中は)ということでしょう。何かあったときにも迅速に対応してもらえます。料金は、施設によって大きく違いますが、ほとんどのホテルは明確に表示しています。

一方で、ペットの性格によっては、環境がかわること、他人や他の動物、ホテルへの移動が大きなストレスになることもあります。場合によっては(出発の)前日に預けたり(帰宅の)翌日に迎えに行ったりしなければならないので、ギリギリまで一緒にいることができません。また自宅に比べ狭い場所で過ごすことになります。他の動物と食器やスペースを共有したり触れあったりすることで病気を移されるリスクもあります。

ホテル選び

できれば事前に一度見学して、どんな設備(個別のケージかフリースペースかなど)があるのか、明るく十分なスペースがあるか、衛生面に気を配って清潔であるか、スタッフが親切で経験豊富であるか、犬のためのアクティビティがあるかどうか、食事の希望に応えてくれるかどうかなどチェックしましょう。1日の大半を狭いケージで過ごすようなホテルは、長期の利用はおすすめしません。何が必要なのか、ペットを預ける・迎えに行くことができる時間などを確かめておくと安心です。ほとんどのホテルではワクチン接種証明書の提示が必要です。

ペットシッター

ペットシッター

ペットシッターは、留守中に自宅に来てペットのお世話をしてもらうサービスです。ペットシッターの一番のメリットは、ペットが住み慣れた環境で留守番ができ、送迎の手間がかからないということでしょう。利用時間や訪問回数、お世話してほしい内容などは事前に打ち合わせするので、ペットに合わせた柔軟なサービスが受けられます。希望すれば、郵便物の取り込み、植物の水やり、換気などもお願いすることができ、ペットの様子なども毎日報告してくれます。

一方で、シッターは一日のうち限られた時間しかいないので、ペットの体調の変化に気づかれにくかったり、室内の温度調節が必要な真冬や真夏の留守番も心配です。また、日ごろからひとりで長時間の留守番をするのが難しいような犬・猫にとっては、ストレスになるでしょう。一番心配なのは、飼い主の希望に沿って打ち合わせ通りお世話をしてくれるか、不在時何かあったときに誠実に迅速に対応してくれるかということでしょう。また、留守中他人に鍵を預けて来てもらうということでセキュリティやプライバシーの問題もあります。

ペットシッター選び

シッター選びのポイントは、あたりまえのことですが、ペットと飼い主に合ったシッターを見つけることです。距離や料金も考慮に入れなければなりませんが、大切な家族の一員であるペットを安心して任せられるかどうかは、動物が好きというだけでなく、知識や経験が豊富であるか、仕事に対する責任感があるかどうかなどを含めるシッターの人柄を見極める必要があります。事前の打ち合わせ(ほとんどの場合は無料)で、要望をきちんと伝え、わからないことや不安に思うことを質問し、丁寧に受け答えしてくれる人なら安心ですね。また、ペットとのかかわり方やペットのペットシッターへの反応などもチェックするといいですね。ペットシッターと飼い主・ペットとの相性も大切なので、ちょっとでも「この人は…?」と感じれば、遠慮せずに断って、別のシッターをお願いしましょう。といっても、短い時間会っただけで人柄を見極めるのはなかなか難しいです。(後半の体験談をお読みください…)

信頼できるシッターが見つかっても、予期せぬ事態が起こることもあるので、緊急時の対応策(電話番号、緊急宿泊先、動物病院)について話し合っておくことも大切です。世話に関してのすべての情報も口頭で伝えるだけでなく、文書で残しておきましょう。

留守中に他人を自宅に入れることで、不安やトラブルもあります。ペットの入らない部屋には鍵をかけておく、ペットのいる部屋に様子を確認するために見守りカメラを設置しておくことをおすすめします(ペットシッターには予めひとこと言っておきましょう)。また利用規約はしっかり読んで、シッターが急に来れなくなった場合の対応などもチェックしておきましょう。

どちらを選ぶか?

猫

どちらも上記に挙げたようなメリット・デメリットがあります。

どちらを選ぶかは、料金、場所、ペットの年齢・性格や健康状態、ペットの数や預ける期間など多くの要因に左右されるため決めるのが難しいこともあります。ペットの立場になって、ペットがより快適で安全、ストレスなくハッピーに過ごせる場所はどちらかを考えてみることが一番大切です。情報を収集することはもちろんですが、愛猫・愛犬のことを一番よくわかっている飼い主さんがペットにとって何がベストかを考えた上で、自身の直感に耳を傾けることも大切です。

一概には言えませんが、車での移動や飼い主以外の他人や他の動物との交流が苦手なペット、慣れ親しんだ環境が変わるのを嫌う猫はペットシッターの方が向いていると思います。長時間ひとりで留守番することに慣れていなかったり、誰にでもフレンドリーで他の犬と仲良くコミュニケーションが取れる犬なら、ホテルの方が向いているでしょう。また、持病のあるペットなら動物病院が併設しているホテルなら安心です。どこに預けるにしても、長期(1週間以上)で預ける前に2~3日預けてペットの様子を見る機会があれば安心ですね。

ドイツでは?

ペットホテル

ペットの宿泊施設の事業者登録をするには、ドイツの動物保護法のガイドラインに基づく資格証明書をはじめさまざまな証明書が必要です。

犬のホテルは、部屋の大きさはもちろん、個室か他の犬と一緒に過ごす大部屋かを選ぶことができます。運動やトレーニングのプログラム、トリミングなど、さまざまなサービスを提供している施設もあり、スタッフの数や質も様々で、シンプルな施設から豪華なホテルまで多種多様です。大きな都市だと、長期の預かりだけでなく、飼い主が仕事をしている間、愛犬が他の犬と一緒に楽しい一日を過ごせるように日中犬を預かってくれる“犬の幼稚園”のようなサービスを兼ねた施設も多いです。料金は、平均すると1日25〜50ユーロです。ホテルによっては、犬の大きさによって料金が異なります。料金に上限はなく、一日200ユーロぐらいする豪華な部屋もあるようです。有効なワクチン接種証明書が必要で、オス犬の去勢が条件である施設もあります。

猫のホテルも犬のホテルと同様で、個室か他の猫と一緒に過ごす大部屋かを選ぶことができます。フェンスをした屋外のスペースを設置しているホテルもあります。個室も比較的広く、狭いケージで過ごすことはありません。ほとんどの施設は、3種混合ワクチンやマイクロチップの挿入、オス猫の去勢が条件となります。料金は平均すると15〜30ユーロです。

もちろん、犬と猫どちらも預けることができるペットホテルもあります。

ペットシッター

ペットシッターに関しては、住まいの近くでペットシッターを探すことができるサービスを利用する人が多いです。愛玩動物看護師やドッグトレーナーなどの資格をもって個人でやっているシッター、大規模のサイトに登録しているシッターなど様々です。大規模なサイトは、基本的に誰でも(住所登録してあれば)ペットシッターとして働くことができるので、自分もペットを飼っている動物好きな人、ペットを飼いたいけれど現在飼えない人、空いた時間に小遣いを稼ぎたい人などが登録しており比較的若い人が多いと思います。プロフィールも本人が書いているので、真偽のほどはわからず、料金もその人によってまちまちです。日本と同様、サイトを通してコンタクトを取り、顔合わせをして依頼します。

たとえば”Pawshake”は、犬や猫(主に犬)のシッターを探す大規模なサイトで、現在、多くのヨーロッパ諸国、オーストラリア、イギリス、カナダ、ニュージーランド、シンガポール、香港などで利用可能です。留守中に来て世話をし散歩に連れて行ってもらう、シッターさんの家で預かってもらうなどの選択が可能です。

“Cat in a flat”は、猫のシッターを探すことができる大規模なサイトで、多くのヨーロッパ諸国で利用することができます。こちらも日に1回か2回世話をしに来てもらう、シッターさんの家で預かってもらうなどの選択ができますが、2回来てもらう飼い主さんが多いと思います。

料金はホテルとほとんど変わりませんが、多頭飼いの場合は、頭数によって料金が変わるホテルに預けるよりもペットシッターの方が割安になることが多いです。

体験談

猫のホテル

2匹の猫をホテルに預けたこととペットシッターに頼んだことがあります。料金はどちらも1日25ユーロほどでした。

ホテルに預けたときは2匹だったので個室をお願いし、フードも一日に3回与えるようにお願いしました。この写真の通り部屋も広く(9m2ほど)キャットタワーもいくつか置かれており快適に過ごすことができたようです。猫の年齢も1歳前後であったことから、新しいおもちゃにも興味津々でよく遊んでもらっていたようです。

キャットシッターは、“Cat in a flat”というサイトを初めて利用しました。自分の住所とシッターの必要な期間を入力すると家の近くのシッターを探すことができます。何人かの中から、プロフィールを読んで好感がもて、他の飼い主さんからのレビューもよく、顔合わせした時の印象もよかった人に依頼したのですが、このシッターは大ハズレでした…。

部屋には留守中に猫の様子が見れるようにペット見守りカメラを設置しており、このことはシッターにも伝えていました。

1日2回、2匹の猫の世話を依頼していたのですが、実は日に1回しか来ていないのに2回来たふりをしている日があることがビデオ録画からわかりました(来ていないときも、他の日に撮ったであろう写真をメッセージとともに堂々と送ってきました)。また、シッターは来ても10分ほどしか滞在せず(打合せしたように)猫と遊んだりブラッシングすることもありませんでした。

最悪の出来事は、猫がバルコニーにいるのに確認もせずドアを閉めて帰ってしまった日があったことです(来たときには、猫が外の空気に触れられるようにバルコニーのドアを開けるようにお願いしていました)。わたしがビデオカメラでこれに気づいて、すぐに連絡したので事なきを得たのですが、気がつかなければ猫は一晩中外に締め出されていたわけです…。

このようなサイトは便利ですが、信頼できる良いシッターを見つけるのは、かなりの運が必要だということがわかりました…。

さいごに

できれば、他人に愛犬や愛猫のお世話を頼みたくないですが…いつも預かってくれる身内や友人の都合がつかないこともあるかもしれません。慌てないように下調べしておくことは大切ですね。